皆様、いかがお過ごしでしょうか?
いいのか悪いのか、寺町通はお昼間は意外に人出も多くなってきました。
お客様の中にも近くまで買い物に来たし寄ってみました、という方も少しずつ増えてまいりました。嬉しい限りです。有難うございます。
ただここで一気に自粛疲れで無理するとまた元に戻ってしまいますので、皆様、十分お気をつけて、少しづつ経済も回っていくように。
ニューノーマルですね。
私たちも皆様が安心してお越しいただけるまで、なんとか粘ってまいります!
さて、先日も書きましたが、これからのニューノーマルに向け、ビージェネもしっかりネット販売にも力を入れようと色々試行錯誤しています。
慣れない作業でまさに亀の歩みのよう。。。
なかなか前に進まなくてすみませんが、なんとか形にしたいな、と。。。。
元々ネットとかってどうなん?と思っていた人間ですが、ここに来て特にINSTAGRAMの力は侮れないな。。。なんて思っています。
そんな出来事の一つ、今回のネタです。
だいぶ前になりますが、(いや!これもINSTAに上げてたから分かる2018年5月。ネットの力!)上記オブジェをアップしました!
そう!
アルネ・バンのフィギュア。
アルネ・バンってこんな人。
また後ほど彼の作品たちはお見せいたしますが、北欧ミッドセンチュリーの作家の多くに見られるスタイル(特にデンマーク、スウェーデン)とは一線を引いたような、一人ネオクラシック的な作品を作り続けていた人物。
そのためか、デンマーク国内、海外でも彼だけを集めているコレクターも多かったりするという話をよく聞きます。
そんなアルネ・バンの1927年の超レア作品!
すると暫くして、なんとアルネバンの子孫の方から「いいね!』が!
まじか!
めっちゃ嬉しい!!!
Anna Bangさん。インスタはannabangart です。
しかも美人!
そしてそして、後日ビージェネインスタにこの作品を上げました。
そう!
サインからも分かるように、Arne BangとJacob Bangのダブルネーム!
もう数年前にデンマークで見つけて「アルネとヤコブ兄弟のダブルネーム!!」と!
こんな夢のようなコラボレーションがあるんか!と思い喜んだもんです。
そう、ヤコブ・バンっていったら1920年代からデンマークの王室御用達HOLMEGAARD社でアートディレクターをしてた人物。
グラスデザインのスペシャリストとケラミックアーティストのコラボレーション!
と思っていました。。
そしたら、再度Anna BangさんからINSTAでコメントが。。。
「これは私のお父さんのパイプのマウスピースでデコレーションしたものよ。」と。
おー!そんな個人的な情報までいただけるなんて、なんて優しい!
、、、、、っていうか、お父さん?
ヤコブバン って1890年生まれだし、Annaさんはどう見てもそんなお歳には見えない。。。
いやはや、ヤコブバン っていろんな意味でやり手だったのか?
なんて思いましたが、Annaさんのインスタを見ると
お父さんの写真、この方が彼女のお父さん。
いやいや、私の知っているヤコブバンはこの人。
下記のようなエレガントなグラスたちをデザインしていた人です。
そうなんです!
実は私が二人のヤコブ・バンを一緒に考えていたのです!
一人はJacob Eiler Bang。上記の1890年生まれのArne Bangのお兄さん。
建築家でもあり、グラスデザイナー、後々に陶器のデザインもしています。
そしてもう一人、Anna Bangさんのお父さんのJacob Bang。
そう、Arne Bangの息子さんです。
上記のダブルネームは父・子のダブルネームだったんです!!!!
ここからは「兄Jacob Bang」「息子Jacob Bang」としますね。
そうなってくると、私が今まで少し訝しく思っていたこともはっきりしてきます。
これもかなり前にデンマークで買い付けたお気に入りの花瓶。
深いグリーンの色目が美しく、また波打ったようなモチーフとその質感。
現地でヤコブ・バンの作品だ、といわれ裏のサインにもJacobとは言っていますが、どこかエレガントでクラシックなスタイルの兄Jacob E Bangの作風とはどこか共通点がないなと思っていました。
そうなんです、
こちらはAnnaさんのお父さん、ArneBangの息子Jacob Bang。
Arne Bangが息子Jacob Bangとプレイベートスタジオを立ち上げたのが1953年。
息子Jacobは1957年から1962年の間Hegnetslundという工房にも所属していたそう。
その時の作品です。
ちなみに上記がArne Bangプライベートスタジオ作品です。
Annaさんによると、右側のたばこ入れはお父さん(息子Jacob)の作品だそうです。
当時製作は父・息子共同製作だったようで、デザインまで手掛けたものが父・息子のだブルネームになっていたそうです。
この時代の作品にはABマークと数字が入っています。
一般的に言われているのは数字が若いほど昔のもの、ということ。
1953年にプライベートスタジオを立ち上げたのですが、それ以前は?
そうです。
ABマークにHGマークが入った、HOLMEGAAARD工房での作品。
これも謎。HOLMEGAARDって言ったら100%の人がガラス工房を思い起こす筈ですが、当時は陶芸もやっていたんですね。
ということは、1930年からプライベートスタジオを立ち上げる1953年までホルムガード 在籍だったのかな?
また分かり次第報告します。
ちなみに1930年のホルムガード 在籍前、1926−1929年の間は、Carl Halier(こちらもビッグネーム)とともに、Kobenhavn Stentojs Braenderiを立ち上げ、活動していたようです。
ちなみにこれ。兄Jacob Bangの作品。
NYMOLLEにて、1944年から1957年まで在籍していたようです。
最後、こちらは兄Jacob Bangの息子、ミカエル・バン。ちなみに長男だそうです!
こちらの親子も2代続けてホルムガード グラス・アートディレクターを務めています。
個人的にはこれらのPaletシリーズがお気に入りです。
Per LutkenのCarnabyもいいですね!
また余談ですが、Anna Bangさんの小さな時、よくPer Lutkenが遊びに来ていたようです。
彼が訪れたときはとても楽しいひと時だったそうです。
Per Lutkenの人柄もこれまた見えてきそうです。
そんなこんなで、こう言ったお話を私の愛してやまない偉大なる北欧ミッドセンチュリーデザイナーたちのご子孫からこういた情報を得られるなんて、なんて嬉しいんでしょう!!!
これをここに書くまで、スタッフや一部お客さんに、
「実はあのヤコブバン は実は違うヤコブバン で。。。!!!」
「子孫から情報もらっちゃった!!」
みたいに、嬉々として語る私にお付き合いいただき有難うございました!
また、このコラムで勉強していただき、バン一族について語りましょう!