張り替えるべき椅子 

  

 すこし前の買い付けで見つけた椅子。
もう何度も紹介しているのでご存知の方も多いでしょうが、1940年代もしくはそれ以前のもの。
特徴としては椅子の内部に通常使われるウレタン素材ではなく、天然素材(わら・麻繊維・獣毛など)は詰め込まれたタイプ。
今回見つけたのはしかもローズウッド製!
アームのデコレーションが美しいデザイン。ただ、そのデザインからか、ぽろっと片方の先が折れてしまっていました。パーツはありましたが、最悪、どちらの先端も削ってしまえばいいかななんて思っていました。
しかも、生地も汚れて状態も良くありません。

 それがなんとも美しい椅子に張りあがってきました!
京都職人の張替によりオリジナルより数段格が上がりました。  

 

   まずはその張り感から。。。
ウレタンでは絶対にあり得ない、その内側のさっくりとした材から表面に現れるプックリ感とでもいいましょうか?前身後身の縫い合わせが手縫いであるからこその、ぽつぽつと出る縫い跡。この形からミシン縫いして上からかぶせることなんて出来ないです!
(このあたりで興奮できるあなたもかなりのマニア?)

 

   両脇、アームの根元部分の取り付け型で仕上げにも苦労します。
とくに湾曲して、さらに2段階カーブがあるので、その部分をきっちりと納めるために、小さな釘を。。。。。
それにしても、すごい木目のローズウッドですね!
昔はローズウッドがふんだんにあったか?
いまではありえないです!
   椅子は裏を見ろ!とよく言われます。
さあ!みてください!
一切のごまかしなし、底張りなし!こだわりの釘打ちです!

   もしローズウッドの欠けがないカンピンだったら現地での買い付け価格はどうなっていたか。。。
アーム両方とも形を合わせて削るなんてレベルの低い考えを持っていましたが、、、
なんと!パーフェクトに修復できました。
ローズウッドの木目と相まってどこが傷なのか解らないです。
使用にもほぼ問題ない状態です。
(それにしてもすごいローズだ。。。)

正直見どころ満載の椅子。
写真10枚ではおさめきれないほどの椅子。
ぜひお手元で堪能してください!