カテゴリー別アーカイブ: 買い付け報告 2006

//買い付け報告(ヘルシンキ編)//2006,6,9

買い付けから帰ってきました。出発前には梅雨の走りのような天気が続きじめじめしていた中、まだ薄ら寒そうな北欧に行ってきました。 ワールドカップも控えていると言う事もあり、面倒な事に巻き込まれない前にさっさと日本に戻ってこようと今回も2週間で三カ国というスケジュールで出発です。 この時期の北欧は風がとても強く、そのためとても変わりやすい天気でした。 ヘルシンキ到着直後は大雨状態。ただ飛行機を降りて市内行きのバスに乗り込み市内につくともう雨は止んでいます。次の日には写真のような快晴。 北欧ならではの空の青さと新緑の緑のコントラストが、それこそ絵に描いたようなに美しい季節です。 風がまだ少し肌寒いですが、とてもドライな風はとても心地よい良い季節です。 06060901.jpg 現在、ヘルシンキ市内のデザインミュージアムでは、イッタラ125周年の記念展示が行われています。それこそお宝が山のよう。このところ個人的にもヘルシンキディーラーとの出会いからフィンランドのアートグラスにはかなりの興味ありですし、数も見てきますが、この展示の内容はそれこそ見たことの無いものもかなり多く、同時に作品の作成風景の上映もしているのでとても参考になりました。現在、その価値観からフィンランドのアートグラスたちの値段はさらに高騰しています。それこそ何百ユーロから何千ユーロの世界になってしまっているので、バイヤーとしてもなかなか手の届かない世界になってしまっています。今年の9月10日までのようです。中にいる人たちに色々な質問をしてみましたが正直何も知らないバイトのような人たちなのでがっかりしましたが、展示品は凄いです!写真でお見せできないのが残念です。今回の収穫品達はOTHERのページにてご紹介いたしますが、かなりの収穫ありです。一同にそろえると見ごたえありだと思います。ビージェネではヌータヤルヴィ・リーヒマキもあわせるという裏技でデザインミュージアムに対抗(?!)しようかと思っています。 06060902.jpg 今回も飽きずにフィンランド料理に挑戦です。今回のターゲットは、トラム8番線のMECHELININKATUとHIETANIEMENKATUが交差する辺りにある”PERHO” (パルホ)というレストラン。 ここは料理専門学校が運営しているお店。なので料理人も高校生。料理を運んでくれるのももちろんばりばりの(?)女子高生(!)です。 大体日本で言う中学校卒業後3年ほどこの学校で勉強し巣立っていくようです。今回私のテーブルを担当してくれた子も、この6月で卒業が決定。結構色々話したので写真一枚いいですか?と聞いたら、写真はNGでした。シャイなところもとても好感が持てますね。 学生の料理なのでもちろん価格もお安め。10-20%くらい安くつきます。そのかわりサービスもシャイなところと、少し気の利かないところはご愛嬌。 06060903.jpg 店内はモダンな雰囲気で、ヤコブセンのブラックセブンで統一されています。 入り口付近には、カウンター席も置かれているようで、地元の酒飲みが少し雰囲気を壊すよう感じで入ってきたりするので奥側の窓際が感じがいいかも。 メニューには英語表示があるのでご安心。 ただ、どれがティピカルなフィンランド料理なのかは解らないので聞いてみると、今回も魚料理を勧めれらてしまいました。 進められるがまま、魚料理を注文し、前菜にはこの5-6月が旬だという白アスパラガスとオランダソース添えを注文。 もちろんワインと一緒に。 06060904.jpg ホワイトアスパラのオランダソース添えです。 日本では余り機会の無い素材だったので注文してみましたが、口に入れた瞬間に素材自身の甘味を感じるのですが、その後、芯の辺りにたまっていた水があふれ出てきて何かとても水っぽく感じられました。 オランダソースとはマヨネーズとチーズを掛け合わせたようなソースでした。 素材本来の味とソースはマッチングするのですが、いかんせん口の中でアスパラからあふれ出てくる水によって全体的に味が薄く味気ないものになってしまうのが残念でした。 その後ストックホルムの市場で買い求めたホワイトアスパラを宿泊先で湯がいたところ、正直、今回レストランで食べた物は少しゆですぎていた感がありました。 うーム、、、ワインのチョイスも悪かった。白にすればよかったです。 06060905.jpg またしても出てきました!フィンランド名物、パサパサなパン。 以前の事もありまさかと思いましたが、これがやはりフィンランドのパンなんですね。 相変わらず、口当たりも悪く日本でも御飯党の私としては余りいただけるものではないですね。 06060906.jpg アスパラの茹で具合をああだこうだ考えたり、フィンランドのパンに妙に慣れてきた自分の味覚などを考えていると、メインが運ばれてきました。色々考えていたせいもあり、写真をとる前に少しナイフを入れてしまいました。見栄え悪くてスミマセン。。。今回のチョイスはパイク・パーチのフライにロブスターソースです。パイクパーチとはカワマスだと思います。マスと言ってもサケマス科の魚ではなく、どちらかというとブラックバスみたいなスズキ科のものだと思います。皮の部分の模様から大体想像つきます。白身魚で魚単体で口にするとやはり淡水魚特有の臭みがあります。ソースと一緒に食べて、まあまあというところでしょうか。かすかにソースに海老らしき風味が漂います。やはり、もっとよいレストランに行かなくては、感動する料理は出てこないのでしょうか?グラスワイン5ユーロ、アスパラガス8ユーロ、魚料理16ユーロ、合計で29ユーロ。大体4500円弱というところ。実はグラスワインをもう一杯頼んでいてそれが多分計算されていなかったと思います。それもサービスのうちでしょうかね(笑)。 (フィンランド編終) 06060907.jpg

//買い付け報告(デンマーク編)//2006,3,30

いつもこのコラムで書いていますが、買い付け中にはお店を閉めています。 じっくり物探しをしなければならない一面、買い付け中には売上はほぼゼロ。 仕入れ無しには販売は出来ないし、良い物がなければ販売もできない。 毎回の事ながらこの矛盾と戦っております。 日本からのバイヤーも多いですが、特に最近はアメリカからのバイヤーが増えているように感じます。 倉庫のような大きな卸の業者を訪れる時などに特にウェグナーの物だけすべてアメリカ向けでSOLD OUT見たいな状況も多々見られるようになってきました。 ちょっと前ですが、GOOGLEで北欧家具と入力して出てくる右側のスポンサーサイトでトップが、まさかヴィヴァリー・ヒルズにある北欧家具専門店とは!彼らの金持ち度合いにも呆れます。 06033001.jpg 写真のようにコペンハーゲンには、まだ、寒々しい灰色の雲が一面に広がっていました。 ただ、町のあちこちにある花屋さんには、彩りあふれる花たちが店一面に飾られています。 日本でも三寒四温という言葉どおり日一日と春を感じていく物ですがここデンマークでも「春間近だよ!」と花達が教えてくれているようです。 と言っても、まだまだ寒いデンマーク。 この限られたスケジュールの中、町中を急ぎ足でいつものディーラーたちとのアポイントをこなしてきました。収穫はまたOTHERのページにアップしてますので気になる物にはお気軽にお問い合わせくださいね。 最終的に家具は20fのコンテナに収まった感じです。やはり物が少なくなってきているのかなあとうっすら感じながらも、既に10回以上デンマークを訪れてもなお、まだ一度もお目見えしていなかったアイテムが出てくるところにこの国の奥の深さを感じました。 06033002.jpg いつも来てくれているお客様から今回子供が乗る “木馬”が欲しいとのご依頼。こういったご依頼にお答えできるよういつも目を光らせています。 依頼主のお顔、その奥さんや実際使うであろう可愛いお嬢ちゃんのお顔が頭の中をよぎります。 “なるべくシンプルな物”というご希望だったので、やっぱりカイ・ボイスンあたりの木馬がイメージかなあと思いつつ町を歩いていると、まさに木馬を発見! こういう物は出会いが肝心。特にアンティークの世界では大事と思っていますが、さすがにここまでリアルだと躊躇してしまいます。 レアー物好きの私のバイヤー心がふつふつと燃え盛ってきましたが、ここはあくまでお客さま第一主義。 あの可愛いお嬢ちゃんがこの木馬を気に入ってくれるかどうか、、、、、 このリアルな木馬を見たら泣いちゃうかも。。。 と思い、止めときました。 でも、次回も頑張って探してきますね! のんびりしてたら、探した頃にはお嬢ちゃんは木馬からは卒業しちゃうかもしれないですね。。。。 06033003.jpg

//買い付け報告(スウェーデン編)//2006,3,7

ヘルシンキからストックホルムまでは飛行機で一時間の行程。あっという間です。 時差も一時間で、出発時刻と到着時刻が同じ。 朝7時出発朝7時着。1時間得した気分です! 早速エアポートバスに乗って市内へ。 市内のホテルにチェックイン後、早速ストックホルムアンティックフェアーへ!意気込んで向かうも、やはりここストックホルムも吹雪き状態。 せっかく早起きして来たのに、ここでもやる気を萎えさせます。 パウダースノーに近いさらさらの雪なので、服につもっても叩けば落ちていきますが、ストックホルムっ子はみんな傘などささない。 伊達か単に気にしていないのか。。。私はというと寒さと風だけでも防げればと小さな折り畳みの傘をさして歩いていくのでした。 06030701.jpg フェアー会場に着くも、既に長蛇の列。中にはちらほらと日本から来られているバイヤーさんの姿も。負けじと並びますが、一列だった列が急に4-5列に分裂し、奥手の私は早速皆様から遅れをとってしまったのでした(涙)。みんな早く入りたいと思う無言のプレッシャーが、入り口でチケットを販売するお姉さんたちを追い詰めていたらしく、私の前何人かのところで、パニックになってしまい、お釣りの計算が出来なくなるほどでした(笑)。会場内には200くらいのブースがあり、中には市内有名ショップなども出店しており、お話にならないお値段で売っておりました。同じ物が2倍位くらいの値段で同会場で売られている場は、私らバイヤーの腕の見せ所でしょう。日本からのバイヤーさんも名うての方々がちらちら見受けられたので、同会場でどんな物をどんな値段で仕入れられたのか今後楽しみです。 LISALARSONのめずらしいオブジェや、フリーベリの器、リンドベリのカラフルな食器、ニールンドのヴェイス等なかなかの品揃えになる予定です。収穫はOTHERのページをご覧下さい。これらは既に入荷済みです。何か気になる物ありましたら、写真等でお送りできますのでお問い合わせくださいね。 06030702.jpg 06030703.jpg 上の写真のように会場内部には色々な飾り付けがありました。当初、デンマークでもよくあるフリーマーケットの大きいバージョンかと思ったのですが、値段的にもちょっと期待はずれ。前回も書きましたが、日本人と見るとリンドベリかリサラーソンかというぐらい店の人たちも知ってます。なかでも良い物をピックアップしてきたつもりなので、ご期待くださいね。 ヘルシンキのスケジュールを短くした関係で、ストックホルムでの滞在に幾分余裕が出ました。 最終日、荷物の発送終了後飛行場に行く前に時間が空いたので、カフェで一休み。 表通りの綺麗なインテリアのカフェより断然裏通りにポツリとあるほうが当たり。今回も家庭的なインテリアのカフェで、出てきたカプチーノにびっくり!おなかがチャポチャポになるくらいのボリュームで、23SKK。 400円以下でこれは凄い!今回の買い付けの収穫にも、最後に飲んだカプチーノにも満足しデンマークに向かいました。 06030704.jpg

//買い付け報告(フィンランド編)//2006,3,6

帰ってきました!買い付けから! といっても、既に一週間がたってしまい、続々と入荷が続いています。買い付けコラムが後追いになってしまいましたが、商品も徐々に紹介していきますね。 ここ京都も2月は異常に寒く雪も多い年でした。 夏にしか買い付けに行かないどこかのショップ関係者とは違い、わたしの場合、貧乏暇無し、どんな季節でも買い付けに行かさせていただきます! 今回もこの極寒の中、北欧3カ国に買い付けに行ってまいりました。 ヘルシンキに着くと、想定外の吹雪状態。 エリエル・サーリネン設計のヘルシンキ中央駅に立っている石像「トーチを持つ男」もとても寒そう。 極寒のフィンランドを想定していたとはいえ、この吹雪には萎えさせられました。 明日の買い付けに一抹の不安を感じながらホテルに向かうのでした。 06030601.jpg ホテルは朝食つきで38ユーロ。もちろん部屋には、シャワーもトイレもなし。買い付けの時間の有効活用と生活費削減の為、昼ごはんを食べなくても済む様になるべくビュッフェ形式の朝食を胃の中に詰め込みいざ出発です。昨晩の吹雪も止んで、一面銀世界。 早速9時オープンのカフェ併設のショップに行き、 10時オープンのディーラーを経て、11時オープンの店を訪問。そこでの意外な収穫が刻々と迫りくる次のアポイント13時というプレッシャーを私に与えてきます。 焦る気持ちを押さえながら、じっくり値段交渉も済ませ、いざいつものコレクターとの待ち合わせ場所に。 相変わらずの品揃え。。。。というか、コレクション。 かれとフィンランドデザインについて現地でしか知りえないような情報を教えてもらったり、日本での売れ筋なんかも話しながら、しっかり値段交渉。 otherのページにも仕入れ商品達はアップしていきますが、タピオのICE BLOCKなどはお店に来てぜひ見て頂きたい!クリスタルを型に流し込み、取り出した後にHUMMEREDといってかち割る作業を施した一品です。 06030602.jpg ::::アンティ・ヌルメスニエミの小さなお話:::::: 今回の買い付けの際に、とくにお客様からのご要望が多かったのがアンティ・ヌルメスニエミのポット。うちでも何回か取り扱いしていましたが、特にこの1年現地価格が高騰しております。うちでは2万円前後で売れるようなお値段で仕入れられれば、仕入れるという姿勢でやってきました。ただ、50年代に一般的に売られていたホーローポット。フィンランドの歴史を紐解けば、戦時中ロシアにヘルシンキの町は焼かれ、国民みんなが貧乏な時代に、シンプルで、簡単にコーヒーも作れる機能も兼ね備えたポットとして安く売られていたはずです。「このポットが日本で人気があるんだよ。」と現地コレクターにはなしましたが、まったく理解できていない様子。もちろん彼自身一般的に使われていたということを知っていての反応。そこで彼が取り出してきたのが左写真のヌルメスニエミが始めてデザインしたという、ホーローのキャセロール。これは全体の重厚感、丸みを帯びたデザイン、取っ手の部分に使われている素材感といい、価値のあるものだと思いました。コレクターの話を聞くところによると、大分長い間日本の方がヘルシンキに滞在され、毎週のようにフリーマーケットに顔を出していたという事。ブラジル人がオーナーのショップでも前回の値段からほぼ2倍の値段に引き上げられていました。前回訪れたのは3-4ヶ月しか前ですよ! いろんなとこから、価値観を見出していくのが上手い日本人。余りやりすぎないよう、お互い注意しましょうね。 06030603.jpg 日本を出発する前に、この買い付け期間中にストックホルムでアンティック・フェアーがあるとの情報を聞きつけどうにか都合をつけようとスケジュールを調整した結果、ヘルシンキの滞在時間を削るという決断を。 その為、2日間で買い付け・パッキング・発送まで完了しなければいけないスケジュールとなり,まさに自分の体をも削ってしまうハードスケジュールのヘルシンキ滞在となってしまいました。 2日目の夕方6時までの郵便局の営業時間に滑り込むようにして今回の収穫を詰め込んだ箱たちを送り出し、次の朝五時にストックホルムのフェアーに間に合わせる為ヘルシンキのホテルを出て、1回りも2回りも痩せたプチプチロールと一緒にヘルシンキの空港に向かうのでした。 06030604.jpg