京都もだいぶ春めいてきました。
店のあります寺町通は人でごった返しております。
ただ相変わらずビージェネレイテッド寺町店は静かです。。。。
その喧騒から10秒で離れることができますので、ぜひ人ごみに疲れた方は一息付きにいらしてくださいね。
久々に店内の展示スペースの模様替えをしました。
今回はカイ・フランク展です。
この2年買い付けに行けていない事もあり、あれだけあった小物たちもだいぶ数が少なくなってきていて、「カイフランク=美しい日用品」的な展示をするにもアイテム不足。
そこでカイ・フランクのガラスのアプライド・アート作品たちを並べてみました。
ポール・キャビアスのウォールユニットにて!
まずは、イッタラ時代の作品から。
クリスタルのぽってりとした質感のガラスにフィンランドの湖の底から湧き出てくるかの如くの気泡が表現されたシリーズ。
1947年からのシリーズで3226,3239,3191、3852?
他に3256、3311のプレート形も展示しております。
こちらもイッタラでのシリーズ。
クリスタルに薄いカラーの幕が入っている様な、なんとも不思議雰囲気を持ったシリーズ。
ハート型のものが3111、1947年より。
花びらの様な器は3318、こちらも1947年。
タピオ・ウィルカラでもこの様なシリーズがあり、カタログにはケースドグラスと表記があり、またQカラーという表示もあります。ちなみに右前にある小さなボウルがタピオ・ウィルカラのQカラー。
じっくり見比べるとどことなく違う様な、同じの様な。。。
うちのお客さまの中でもガラス工芸が好きな方、焼き物が好きな方といらっしゃいますが、ガラス工芸は「これどうやって作ってるの?」という謎が多い事も魅力の一つだと思います。
ちなみに奥のグリーンっぽいグラスには、ヌータヤルヴィのサインが。。。
これはだいぶ前に仕入れたものなのですが、それ以降、カイフランク・ヌータヤルヴィでこのあたりの作品を見たことがありません!
ここからはヌータヤルヴィ。
USVAというシリーズで、「霧」を意味しています。
どこか有機的な形の美しいガラスに霧が閉じ込められた様なデザイン。
KF106かな?1951年です。
こちらもヌータヤルヴィ。
HARSOシリーズ。HARSOはガーゼという意味らしいです。
究極のレースグラスです。
規則正しく気泡が(しかもこれでもか!というほど細かい!)並んでいます。
こんなの本当、どんなしてつくってるん?と、お聞きしたいです!
究極の技法でなんとも美しいオブジェになっています。
KF108、KF109ですね。
こちらもヌータヤルヴィのシリーズ。
KF206かな?
重量感ありながら、中に美しく気泡が閉じ込められたシリーズ。
ヌータヤルヴィのカットシリーズ。
ガラスの塊から切り出した様!
KF210(1953年)とKF233(1956年)。
KF234、1955年。
上部はKF278。インカルモ・テクニックで制作された作品。
もう10年以上前に現地でたまたま見つけたもので、今ではかなりレア?
下部はカタログにないですね。
どこかKF215に似たカラーリング。1960年のサイン入りです。
ぽってりとした丸みがかわいいです。
そしてポカリ。
KF539
こちらもインカルモですね。
作品群を見ていただいてもわかる様に、個人的にやはり1950年代、60年代でも前半の作品が好きですね。
まあ、ポカリをはじめとした60年代後半からの作品群は時代を反映させたポップなデザインが多く、ただ、オイヴァ・トイッカの人気にもある様に、どちらかというとそれらの作品の方が現地でも高いですね。
お店に来ていただいているお客さまたちはご存知だとは思いますが、いつもこれらの作品群は棚の奥にしまってあり、なかなかお目見えしておりませんでした。
こういう形で外に出して展示してみると、初期のガラス作品たちにはどこか、陶器ではキルタ・ガラスではカルティオなどの機能美を備えた日用品を生み出していた反面、アプライドアートデザインの方ではより装飾的で柔らかく、ファンタジーな印象のものが多いですね。
カイフランクの作品集を見ますと、もともとテキスタイルデザイナーだったことなども彼のデザインの幅広さを感じさせますね。
個人的にカイ・フランクについての写真で印象的なものはデザイナーのタウノ・タルナさんのお子さんたちに絵を描いている写真です。
そのデザインや経歴から皆から尊敬され、フィンランドの良心とも言われ、なんとなくお堅い方というイメージがあるかもしれませんが、頭の中はファンタジーでいっぱいだったのかもしれませんね。
これもカイフランクのファンタジー。
1943年の木の人形。奇跡的な生き残り!
それにしてもこの表情たるや!
これもTHE カイ・フランクです。(残念ながら非売品(笑)いつもこんなオチですみません、)