月別アーカイブ: 2022年3月

Kaj Franck 展 寺町店自己企画展シリーズ

京都もだいぶ春めいてきました。

店のあります寺町通は人でごった返しております。

ただ相変わらずビージェネレイテッド寺町店は静かです。。。。
その喧騒から10秒で離れることができますので、ぜひ人ごみに疲れた方は一息付きにいらしてくださいね。

 

久々に店内の展示スペースの模様替えをしました。

今回はカイ・フランク展です。

この2年買い付けに行けていない事もあり、あれだけあった小物たちもだいぶ数が少なくなってきていて、「カイフランク=美しい日用品」的な展示をするにもアイテム不足。

そこでカイ・フランクのガラスのアプライド・アート作品たちを並べてみました。

 

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ポール・キャビアスのウォールユニットにて!

 

 

 

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まずは、イッタラ時代の作品から。

クリスタルのぽってりとした質感のガラスにフィンランドの湖の底から湧き出てくるかの如くの気泡が表現されたシリーズ。

1947年からのシリーズで3226,3239,3191、3852?

他に3256、3311のプレート形も展示しております。

 

 

 

 

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こちらもイッタラでのシリーズ。

クリスタルに薄いカラーの幕が入っている様な、なんとも不思議雰囲気を持ったシリーズ。

ハート型のものが3111、1947年より。

花びらの様な器は3318、こちらも1947年。

 

タピオ・ウィルカラでもこの様なシリーズがあり、カタログにはケースドグラスと表記があり、またQカラーという表示もあります。ちなみに右前にある小さなボウルがタピオ・ウィルカラのQカラー。
じっくり見比べるとどことなく違う様な、同じの様な。。。

うちのお客さまの中でもガラス工芸が好きな方、焼き物が好きな方といらっしゃいますが、ガラス工芸は「これどうやって作ってるの?」という謎が多い事も魅力の一つだと思います。

ちなみに奥のグリーンっぽいグラスには、ヌータヤルヴィのサインが。。。

これはだいぶ前に仕入れたものなのですが、それ以降、カイフランク・ヌータヤルヴィでこのあたりの作品を見たことがありません!

 

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ここからはヌータヤルヴィ。

USVAというシリーズで、「霧」を意味しています。

どこか有機的な形の美しいガラスに霧が閉じ込められた様なデザイン。

KF106かな?1951年です。

 

 

 

 

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こちらもヌータヤルヴィ。
HARSOシリーズ。HARSOはガーゼという意味らしいです。

究極のレースグラスです。

規則正しく気泡が(しかもこれでもか!というほど細かい!)並んでいます。

こんなの本当、どんなしてつくってるん?と、お聞きしたいです!

究極の技法でなんとも美しいオブジェになっています。

KF108、KF109ですね。

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こちらもヌータヤルヴィのシリーズ。

KF206かな?
重量感ありながら、中に美しく気泡が閉じ込められたシリーズ。

 

 

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ヌータヤルヴィのカットシリーズ。

ガラスの塊から切り出した様!

KF210(1953年)とKF233(1956年)。

 

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KF234、1955年。

 

 

 

 

 

 

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上部はKF278。インカルモ・テクニックで制作された作品。
もう10年以上前に現地でたまたま見つけたもので、今ではかなりレア?

下部はカタログにないですね。
どこかKF215に似たカラーリング。1960年のサイン入りです。
ぽってりとした丸みがかわいいです。

 

 

 

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そしてポカリ。
KF539

こちらもインカルモですね。

 

作品群を見ていただいてもわかる様に、個人的にやはり1950年代、60年代でも前半の作品が好きですね。
まあ、ポカリをはじめとした60年代後半からの作品群は時代を反映させたポップなデザインが多く、ただ、オイヴァ・トイッカの人気にもある様に、どちらかというとそれらの作品の方が現地でも高いですね。

お店に来ていただいているお客さまたちはご存知だとは思いますが、いつもこれらの作品群は棚の奥にしまってあり、なかなかお目見えしておりませんでした。

こういう形で外に出して展示してみると、初期のガラス作品たちにはどこか、陶器ではキルタ・ガラスではカルティオなどの機能美を備えた日用品を生み出していた反面、アプライドアートデザインの方ではより装飾的で柔らかく、ファンタジーな印象のものが多いですね。

カイフランクの作品集を見ますと、もともとテキスタイルデザイナーだったことなども彼のデザインの幅広さを感じさせますね。

個人的にカイ・フランクについての写真で印象的なものはデザイナーのタウノ・タルナさんのお子さんたちに絵を描いている写真です。

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そのデザインや経歴から皆から尊敬され、フィンランドの良心とも言われ、なんとなくお堅い方というイメージがあるかもしれませんが、頭の中はファンタジーでいっぱいだったのかもしれませんね。

 

 

 

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これもカイフランクのファンタジー。

1943年の木の人形。奇跡的な生き残り!

それにしてもこの表情たるや!

これもTHE カイ・フランクです。(残念ながら非売品(笑)いつもこんなオチですみません、)

 

 

IL CILIEGIO イル・チリエージョ

京都・上京区に突如あわられる「え?ここは北欧ですか?」

すみません、イタリアンレストランです。

長いこと買い付けに行けていないので、もう北欧の景色が幻の様に出てくる禁断症状の様です。

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イル・チリエージョさん。

もうこのエントランスから解る様に、オーナーご夫妻のお店への思い入れが伝わってきます!

 

今回はそんな素晴らしいイタリアンレストランに良い椅子を入れていただきました!

 

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ヨハネス・アンダーセンのローズチェアー!!!
ヨハネス・アンダーセンらしい、美しい曲線描くを有機的なデザインの椅子。

おそらく我ら北欧マニアの中には、この椅子を見たことがある方も多いと思います。

ただ、それはチーク(おそらくアフロルモシア)で、このローズバージョンはなかなか見ることがないモデルじゃないでしょうか?
まあよくこんなデザインの椅子をローズで作ったな!変態的です!

わたしもこの20年で初めて見ました!

張り時は栃木レザー、本ヌメ革のオイルバケッタ。
イルチリエージョさんと一緒に経年変化も楽しみです!

 

 

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美しい光景を上から!

 

 

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さらにもう一枚!

 

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奥の円卓にはハーフアームの椅子を。これもローズ!

これはまたけしからんことになった!

自己満足写真はここまでにして、、、、

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こちらが店の奥から入口方面。

壁のアートやライティング、お花まで一つ一つにこだわりと思いが詰まっている感じですね。

 

 

 

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際ほどの自己満足写真からわからないのですが、わたしが初めてこちらにお邪魔した時に印象的だったのが、この吹き抜け構造。

吹き抜け先の窓はご自宅だそう。

家族とお店がこの窓を通じてつながっているのも、とても良いと思いました。
(レ・クリントチラ見せ!)

 

 

 

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ビージェネレイテッドはあまり雑誌や本などにも取材されないし、20年経った今でも、「いままでこんなお店が京都にあったなんて知らなかった!」という、嬉しいのか悲しいのか(笑)お客様からのお言葉をいただき、常々自分の発信力の無さを嘆いている昨今。
少し前にイルチリエージョさんに一つのキャンドルホルダーを買ってもらいお店に飾っていただいたところ、その後続々と「イルチリエージョさんで聞いてきました!」というお客さんがご来店。
あんなに有ったキャンドルホルダーの在庫が一瞬のうちにソールドアウトになったという伝説があったとかなかったとか。

それもこれもオーナーご夫妻のお人柄かな、と思っています。

美味しいお料理とサービスと。

ぜひ皆様もお立ち寄りくださいね!

お店情報
・イルチリエージョ
ご予約・お問い合わせ
075-354-6106
新店舗住所 京都市上京区納屋町190
《アクセス》 地下鉄今出川駅、又は鞍馬口駅より徒歩7分
※住宅地の一角にございます。自転車でのご来店はお控え下さいませ。