何日か前、デンマークに豪雨と強風が吹いたようです。 デンマークにいるディーラー達が心配だったので連絡を入れたところアジアで起きた津波に比べればたいしたこと無いと、気を使っていましたが、彼らによると彼らが生きていた中で一番ひどい天気だったとの事。 日中には写真のような薄暗い空が続く、北欧の冬に、追い討ちをかけるような今回の天気。何か地球の悲鳴が聞こえてくるような昨今、異常気象が世界中で続いています。 ヘルシンキと同様に、私が訪れた12月はまだ5度前後の気温があり、天気も小雨が降る位の穏やかな天気でラッキーでした。 私がヨーロッパを回った印象では、デンマークが一番フリーマーケット文化が発達していると思います。 いつも陽気で気さくな性格の彼らにとって、フリーマーケットは一種の交流の場なのでしょうか? デンマーク人が節約好きだからというよりかは、物を大事にする精神がこういったリサイクルの場を作ったんだと思います。 今回の滞在中に、たまたま大きなフリーマーケットがあるという事をディーラーから聞きつけ早速行ってみました。 少し早めに着いてしまい、寒空の中待たなくてはならなかったので、ちょっと近くで朝ごはんでもと思いその場を離れ開館の5分前に会場に再度行ってみると、もう、凄い行列! これは失敗したと、早速列に加わり、会場の中に入ってみると、これまた、凄い数のお店! 1000くらいは有るんじゃないかと思う位のお店の数で、まだ一つも買ってないのに、既におなか一杯状態になってしまったのですが、その雰囲気に圧倒されながらも、何とか買い付けてきました。 デンマークでは冬には野外フリーマーケットがない為こういったインドアーマーケットが多いようです。 中には掘り出し物があるお店もありましたが、大概は私がいつも買っているディーラーの値段と大差もなく、まあ、漫然とした感じで回っていたのですが、一人変わったディーラーがいました。 かわいい椅子をだなーと思い、話を聴いてみると、どうもデザイナーズのシアターチェアーとの事。 彼と一緒に写っているチェアーは、ヴェルナーパントンの生地を張っているオリジナルチェアー。 また他には、ポール・ヘニングセンデザインの物もありました。ヘニングセンのシングルシアターチェアーは以前見たことがあったのですが、こういったウッド使用の2シーターは初めて見ました。 ここで「彼のセンスだったらきっといい家具を持っているに違いない!」と思って、「他になんか無いのー。」って、聞いてみたら 「俺は、デザイナーズシアターチェアーしかやらんっ!」との事。 こういった頑固なところもデンマークの人の魅力ですね。 滞在中にたまたま、もう一会場でもフリーマーケットが開かれていました。 とても小さなマーケットだったんですが、古い体育館らしきその建物はものすごい木造建築でした。 よく、デンマークの人と話していると「木の扱いに関しては日本人かデンマーク人だ!」と、ありがたい事を言ってくれます。 ただ、今の京都の現状は、古い町屋は収益物件か駐車場に変わって行っている状況です。京町屋再生賃貸住宅制度というのに、1億円の予算が組み込まれたようですがこの財政難の京都において、さらにマンガミュージアムなる物が計画されているようです。 まったく、京都古来より伝わる鳥獣戯画巻とマンガを無理やり引っ付けて無駄な建物を建てようとする人たちの考えは賞賛にあたいしますね。 もちろん、地震の無い国と比較する事や、町屋保存に関しては持たない物の戯言かもしれませんがこの写真のような建物をちゃんと残しておけるのは羨ましいことですね。 今回お世話になったお宅のセレナちゃんです。 まだ生後数ヶ月なのに、めちゃデカイ、、、、 ヨーロッパで買い付けをしていると、家具ディーラー・プラス・愛犬というパターンが良くあります。昼間っからビールを飲んでいいかげんそうな飼い主なのに、犬はいつもとてもおりこうです。どのディーラーも、しつけがとても重要だという事を、いつも説明してくれます。このお宅のセレナちゃんも、まだ子供だというのにとてもお利巧でした。(私の遊び相手にもなってくれました。ありがとう!) 犬を本当の家族同様にむかえ、しつけをしっかりすることによって、お互い理解し合い、最良のパートナーとすることが出来るんですね。 いつも、そんな姿をみて羨ましく思っています。 うちの店が交差点の角にあるためか、犬の散歩をしてる人たちの多くが、うちの店の前で信号待ちしています。 たまに、店の前に犬の落し物が! 犬くんもですが、その前に飼い主がもう一度躾を受けた方がいいんじゃないですか? 今回買い付けた物達の紹介ですが、まず、結構な数のクイストゴーの食器たちが集まりました。 今回お皿などのバリエーションは少ないのですが、カップアンドソーサーに関しては、写真のようにレリーフのほか、2種そろいました。 ホリムガ等のガラスクラフトも数多くそろいましたが、下の写真の焼き物たちに注目です。 今回の入荷で注目はCONNY WALTHER とFINN LYNGGAARDです。 また、個別に紹介しますが、コニー・ヴォルターはまさに日本の民藝作品のようで一目気に入りました。なるほど京都国立近代美術館でも、ヴォルターの作品が収蔵されています。 フィン・ルンゴーはこういったクラシック作品のほかに、ガラスクラフトにも携わっておりポップアート的なデザインも残しています。陶芸やガラスについてのHOW TO本等の作成もしており、デンマークの中でも陶芸の主導的役割を果たした人です。彼の作品は、東京国立近代美術館にも収蔵されています。 他にはPALSHUSのティーポットや、SAXBOのスクウェアボウル(お陰様でSOLDです)などです。 今回、少しデンマークの椅子の入荷が少ない代わりに、箱物(チェストやサイドボード)が多数入荷します。とくにローズウッドの物が多いので、探していた方はこの機会を逃さないで下さいね。 また、ヴィコ・マギストレッティ、ジアンカルロ・ピレッティ、カルロ・バルトーリなどに、ハイス・ベッカー、シーズ・ブラークマン、G・H・ギスピン、フリソ・クラマーなどのダッチデザインも少量ですが入荷します。 入荷は2月中旬の予定です。ご期待ください。 店内にカタログも用意しておりますので、見に来てくださいね。 気になるんですが、この信号機はNORREPORT駅の交差点の物です。 いたずらなのか、デザインなのか、、、、、、 いつもこれを見ると、ほのぼのします。 こんないたずらだったら、ウェルカムですよね! なんだか、戦争やテロ・自然災害やら振り返ると物騒な世の中でしたが、今年はこれ以上世界中に何も起きないで、世界中のみんなが平和にニコニコ暮らせればよいですね。 2004.12
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