表題はウェグナー?モーエンセン?としましたが、この椅子はボーエモーエンセン1942年デザイン。
FDBにて生産された椅子です。
特徴は背もたれの笠木とフレームのジョイント部分。
アームのジョイント部分。
貫の部分のジョイント部分が一回り厚くなっている。
通常はなだらかに曲線を描くという感じですが、よりモダンでスカッとした素晴らしいデザインアイディアだと思います。
こちらがウェグナーバージョン。1949年にフリッツハンセンにて作られたもの。
去年行われたハンスウェグナー生誕100周年記念のオークションでも注目されていました。
そうなんです、ウェグナーのものはプロトタイプなんです。
レアです!
実は上記のウェグナーの椅子を2年ほど前に何も知らずに買い付けていて、
そのままお客様に売っていました。
その後ふとした経緯で、この椅子がウェグナーのプロトタイプであることを教えていただき、
上記の資料をいただきました。
そこでやめておけばよかったのですが(汗)、上記モーエンセンのアームチェアーを現地で見つけたときに「おー!これはウェグナーのプロトタイプではないか!」と、小躍りし、日本で数名のお客様に
間違ったインフォメーションを流してしまいました。
本当に申し訳ございませんでした!
それにしてもお客様の目が素晴らしいと、感服するしかないですね。
わたしは再度心を入れ替え、精進したいと思います。。。。
椅子に関して言いたいのは、どちらも素晴らしい椅子だということ!
誰がデザインしようが、美しいものは美しい!
ウェグナーのプロトタイプを知らずに買ってきた当時の自分に戻ります!
それにしても、伝統的なデザインをリ・デザインするということは、デンマーク家具、特に椅子デザインのなかでは王道ですが、よくここまで同じような椅子を、しかも、ウェグナーとモーエンセンという親友間の中でやり取りするなと思います。資料のわきにある説明を見るとデンマーク語なのでさっぱりわかりませんので推測の域を出ませんが、モーエンセンのデザインがあることを知っていたうえで、改良を重ねたが、やはり近すぎるし、工場も違うのでプロトタイプまでにした、、、というところでしょうか。
新しいものを作り出すというのは並大抵の努力ではないと思います。
特にデンマーク椅子デザインの多さには、本当にアイディアを出し尽くした感がありますね。
日本ではオリンピックのロゴデザインが、誰かのマネだと問題になっています。
わたしには才能がないので、新しいものを作り出すという、それこそ途方もなく難しい作業は想像すらできませんが、やはり今迄見てきたもの、記憶に残っているものなどが総合的に組み合わさって、さらに自己センスによってデザインが生み出されていくのではないでしょうか。
まあ、それをよくみなさんネットなどでいろいろ似たようなものを探し見つけてくるな!と思います。
トレースなどは別問題ですが、顔が見えない人たちが寄ってたかって揚げ足を取るような感じ。
なんかいやな世の中です。